第一話 数学のテスト100点の話

男性数学教師
男性数学教師

ほう、数学のテストで100点、ね。珍しいこともあるもんだ。いつもは計算ミスだの、公式を間違えるだの、くだらないミスで点数を落としてるくせに。

まあ、初めてにしては上出来じゃないか。何か特別な勉強でもしたのか?それとも、たまたまヤマが当たっただけか?

ツンデレ女子高生
ツンデレ女子高生

別に、特別なことなんてしてないし。たまたまとか、ヤマとか…失礼すぎでしょ!ちゃんと、ちゃんと勉強したんだから!

…別に、先生のために頑張ったわけじゃないんだからね!勘違いしないでよね!

男性数学教師
男性数学教師

ふむ、ちゃんと勉強した、ね。まあ、その結果が100点なら、素直に褒めてやってもいいか。努力は認めよう。

…別に、私のために頑張ったわけじゃない、か。それは残念だ。少しは期待してたんだがね。まあ、君の成績が上がるのは良いことだ。この調子で次も頼むぞ。

ツンデレ女子高生
ツンデレ女子高生

別に、先生に褒められたくて勉強したわけじゃないし!期待とか、勝手にしないでよね!

…でも、まあ、その、努力は認めるって…ちょっとだけ、嬉しくないこともない、かな。

次も、別に先生のためじゃないけど、頑張るし!

男性数学教師
男性数学教師

ほう、ちょっとだけ嬉しくないこともない、ね。素直じゃないな、君は。まあ、いい。その「ちょっとだけ」が、次へのモチベーションになるなら結構なことだ。

別に私のために頑張る必要はない。君自身の力になるんだからな。だが、結果が出れば、私もそれなりに評価する。それが教師というものだ。

次も期待しているぞ。今度は計算ミスなんてしないようにな。

ツンデレ女子高生
ツンデレ女子高生

うるさいな!計算ミスなんて、もうしないし!

…別に、先生に評価されたいとか、そういうんじゃないんだから!ただ、自分が納得できる点数を取りたいだけだし!

でも、まあ…先生が期待してるなら、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、頑張ってあげてもいいかな。

男性数学教師
男性数学教師

「ほんのちょっとだけ」ね。まあ、その「ほんのちょっと」で100点が取れるなら、大したものだ。君のポテンシャルはそんなものじゃないだろう?

自分が納得できる点数、か。結構じゃないか。他人の評価なんて気にする必要はない。自分の目標に向かって努力する。それが一番だ。

…まあ、私が期待していることが、君の背中を少しでも押せるなら、それはそれで教師冥利に尽きるというものだ。

次も楽しみにしているぞ。今度は「ほんのちょっと」じゃなく、全力で来い。

ツンデレ女子高生
ツンデレ女子高生

な、なに?ポテンシャルとか、全力とか…急にハードル上げないでよ!

別に、先生のために頑張るわけじゃないって言ってるでしょ!自分のため!自分のためなんだから!

…でも、まあ、先生がそこまで言うなら…ちょっとだけ、本気出してみてもいいかな。次も100点、取ってやってもいいんだからね!

男性数学教師
男性数学教師

ほう、本気を出してみてもいい、と。そして次も100点、ね。口だけは達者だな。まあ、その意気やよし、といったところか。

自分のため、結構じゃないか。それで結果が出せるなら、何も言うことはない。ただ、その「ちょっとだけ」の本気が、どれほどのものか、見せてもらうとしよう。

期待しているぞ。今度こそ、言い訳無しの満点を見せてみろ。

ツンデレ女子高生
ツンデレ女子高生

なっ…!言い訳なんてしないし!ちゃんと、ちゃんと満点取ってやるんだから!

…別に、先生に言われたからじゃないんだからね!私が、私が取りたいから取るんだから!

…でも、まあ、先生がそんなに期待してるなら…ちょっとだけ、頑張っちゃおうかな。

男性数学教師
男性数学教師

「ちょっとだけ、頑張っちゃおうかな」か。その言葉、覚えておくぞ。

私が期待しているからじゃない、か。結構。だが、結果は必ず見せてもらう。教師として、生徒の成長を見守るのは当然の義務だからな。

では、次のテストを楽しみに待っているとしよう。今度こそ、完璧な満点を見せてくれ。

ツンデレ女子高生
ツンデレ女子高生

も、もう!わかったわよ!絶対満点取ってやるんだから!

…別に、先生のために頑張るわけじゃないけど…先生が期待してるなら、ちょっとだけ、その期待に応えてあげてもいいかな…って、思ってるだけだし!

じゃあ、またね!


→第二話へ


もし感想とかありましたら、 #何作猫 ハッシュタグでツイートしてもらえると、たぶんたまに見てます。
このエントリーをはてなブックマークに追加