第八話 数学教師と複素数の話

天然女子高生
天然女子高生

ねえねえ、ひなちゃん!先生に複素数のこと、教えてもらいたくない~?えへへ、私、ちょっとわかんないところがあって~!一緒に行こうよ~!

ツンデレ女子高生「ひな」
ツンデレ女子高生「ひな」

別に、あんたが行くっていうなら、行ってあげてもいいけど。勘違いしないでよね!数式変態に会いたいわけじゃないんだから!…ちょっと、複素数の極形式のところが、引っかかってるだけだし。

男性数学教師「数式変態」
男性数学教師「数式変態」

また君たちか。騒がしいのが増えたと思ったら。…まあいい。極形式のどこがわからないんだ?まさか、偏角の定義から怪しいんじゃないだろうな?

天然女子高生
天然女子高生

えへへ~、先生、偏角って、ぐるぐる回る角度のことだよね~?なんか、どこまで回ればいいのか、わかんなくなっちゃうんだ~!それに、sinとかcosとかも出てくるし~!えへへ。

ツンデレ女子高生「ひな」
ツンデレ女子高生「ひな」

偏角の範囲は、ちゃんと決まってるでしょ!主値っていうのがあるんだから!…別に、あんたのために言ってるんじゃないけど。先生、その主値ってやつを、もうちょっと詳しく教えてあげてください。

男性数学教師「数式変態」
男性数学教師「数式変態」

主値というのはだな、偏角を一つに定めるために、その範囲を限定したものだ。通常は、偏角 argz を −π<argz≤π の範囲にするか、あるいは 0≤argz<2π の範囲にする。どちらを使うかは場合によるが、重要なのは、複素数に対して偏角が一つに定まるということだ。…まあ、お前たちには難しいか。


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